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今回はおすすめ小説をジャンル別のランキング形式で50冊お届けしたいと思います。
面白い小説を読みたいと思っても、数が多すぎて何から手を付ければ良いか迷ってしまいますよね。
サクッと面白い小説を知りたい方に向けて、本を読んでいる方100人を対象に『おすすめの小説』を教えて欲しいというWebアンケートを実施いたしました。
皆さんの熱いアンケートを参考にしつつ、面白いと思ったおすすめ小説を独自ランキング形式でご紹介していきたいと思います。
- 厳選しておすすめ小説を知りたい
- 読んだほうがいい小説を押さえたい
- ジャンル別に面白い小説を知りたい…etc
上記に当てはまる方は特におすすめです。紹介する本の一部はKindle版でも発売されています。紙ではなく電子版を読みたい方にも向いていますよ。
全作品のチェックを行った上でまとめています。面白いおすすめ小説を知りたい方はぜひチェックしてください。
始めに個人的なPICKUPのご紹介、その後はアンケートを取り入れつつジャンル別に発表していきます。
目次
面白い小説おすすめ【PICKUP2選】
人生最大の後悔16人の記録
人生で後悔している出来事をまとめたおすすめ小説!
様々な人物の『後悔していること』をまとめているノンフィクションベースの小説です。アンケートやインタビュー形式で『なぜあのとき…』と言った後悔を紹介しています。
人の失敗談は生きる上で参考になる要素がたくさん存在しますね。馬鹿だなぁ~と思う自業自得の話もあれば、本人は悪くないのに可愛そう…と本当に色んな話があります。
価格とページ数が手頃でサクッと読むことができますよ。自選ですが読んで欲しいノンフィクション小説です。
天国に一番近い会社に勤めていた話
大人気のブログが書籍化!実体験を描いたノンフィクション本!
著者自身の人生を描いた作品。豊富なイラストと横読みで読むノンフィクション本です。
幼い頃死ぬと思われる重病に掛かったこと、死後清掃に勤めていた話、ブラック企業の裏側が描かれているほか、様々な体験をノンフィクションベースで書いているので興味深く読むことができます。
一般的な小説とは異なりイラストが多めです。横読み形式なので文学を楽しみたい方には向いていませんが、逆に普段あまり本を読まない方にもおすすめできる作品ですね。
刺激があり読み物として楽しめますよ。面白いけど何故か泣ける、そんなオススメ小説になっています。
>面白いのに泣ける本『ハルオサン 天国に一番近い会社に勤めていた話』感想レビュー
人間ドラマ・日常おすすめ小説12選
1.白い巨塔
医療制度の腐敗と人間ドラマを描いた長編名作おすすめ小説!
医師による覇権争いや医師同士の戦いが描かれており面白いです。
一般的な職業とは異なるイメージを持つ医師ですが、やはり普通のサラリーマンと同じように覇権争いが存在しており、その詳細を鮮明に描いているところが惹き込まれますね。
映画化、テレビドラマ化、コミカライズ、ラジオドラマ化と様々なメディア展開を行っているところから人気の高さが伺えます。
最後はライバルにあたる医師同士の友情、別れがあり魅力的な流れになっていますよ。激動を乗り越えた末に迎える、医師としての誇りを持った儚い結末もグっと来るおすすめ小説です。
2.カラフル
死の淵から主人公が生き返る!累計100万部突破の名作小説!
自殺を図った中学三年生の主人公。
魂は天国へと登っていくのですが、途中で天使から『おめでとうございます!人生をやり直す権利に当選しました!』と告げられます。
天使の言葉を聞いた後、目を覚ますと病院で点滴を受けている主人公。彼は死の淵から蘇り、再び生きることが可能になります。ですが、自殺を図る前の記憶があやふやな状態になってしまいます。
自分はどんな人間だったのか。なぜ自殺を図ったのか。そして本当はどんな風に生きたかったのかを考えていきます。読み進めると思春期特有の悩みを抱えていたことが描かれるほか、もがくように生きていた過去と直面することになりますよ。
同じくらいの年頃に読み、家族、友達、勉強、すべてに悩んでいたので救われるような気持ちになったという方も存在。一度読むと最後まで読みたくなる「心に響くおすすめ小説」です。
3.東京すみっこごはん
商店街の脇道にある『共同台所』を舞台に描かれるすみっこごはん!
共同台所を軸に様々な物語を描いた小説です。東京の商店街の片隅にある古い家には、夕方になると年齢も職業も違う様々な人々が集まって来ます。
そんなバラバラな人たちがクジを引いて、当たった人が料理を作り、みんなで世間話をしながら食事をするストーリーになっています。
集まる人たちは悩みを抱えており、その悩みはどれも私たちに身近なものばかりで、他人事ではないように思えて惹き込まれてしまうところが面白いですね。
レシピはその家に置いてあるノートの中から選ぶのですが、その『ノートのレシピは誰が書いたのか』など、物語が進むにつれて謎も解き明かされていきますよ。
エピソードごとに料理が出てくるので調理のヒントにもなる面白いおすすめ小説です。
4.魔法使いのハーブティー
ハーブティーとともに描かれる心温まるおすすめ小説!
両親を亡くしてしまった主人公の少女。
彼女は夏休みの間だけハーブを扱う亭主のもとでお世話になります。出されるハーブティーには飲んだ人が優しく元気に、そして強くなれる効果を持つ魔法がかけられています。
ハーブティーが持つ効能、出す意味、その繋がりの意味が分かるとき読み手の心も温かくしてくれますよ。亭主のもとで過ごした少女が成長し、魅力的になっていく姿が描かれていくのも良いです。
なぜ亭主が自分のことを『魔法使い』と言っているのかも分かってきます。最後に出されるハーブティーに込められた意味も素晴らしいです。
読み手に元気を与えてくれるおすすめの小説です。
5.結婚詐欺師
プロの結婚詐欺師とそれを追う刑事や登場人物の絡みが魅力的な小説!
本作は多くの女性たちの結婚観を題材にしている『結婚詐欺師の物語』です。
自立した1人の女性が、紳士そうな男性から声を掛けられ次第に惹かれていきます。その相手は言葉巧みな『結婚詐欺師』であり、少しずつターゲットの女性を落としていくという流れになっています。
結婚を特別に意識しているわけでもない女性が、なぜ簡単に騙されていくのかとても興味深い話でした。気が付いた時には引き返すことができず、哀れながらどこか共感してしまう部分がありますね。
結婚詐欺師の才能ともとれる、話術や行動は読めば読むほど面白かったです。詐欺師に狙われる元恋人と、それを追う刑事の姿に注目して欲しい『上・下』編のおすすめ小説です。
6.あなたの人生、片付けます
片付け屋が様々なお部屋を掃除していく人間ドラマ小説!
散らかった家に暮らす人々のもとに片づけ屋・大庭十萬里がやってくる。彼らの住まいが散らかっている理由は、心の中に抱えた寂しさや悩みが存在しています。
片づけ屋は手を動かすのではなく、その心の問題を一緒に解決していくという流れになっています。散らかった住まいに暮らす人々は、読者から見れば明らかな心の問題や欠点を抱えていますが、本人はそれに気づけていません。
本人がその問題に気づけるように、片付け屋の視点を通して読み進められるのが面白いです。不思議な爽快さを感じるおすすめ小説になっています。
7.重力ピエロ
血の繋がりのない兄弟の絆を描いた愛の物語!
半分血の繋がっていない兄弟の『血の繋がり以上の家族愛』を描いた物語です。
ある日、突然起こった放火事件をキッカケに、兄と弟のそれぞれの企みが徐々に明かされていきます。そして、早くして亡くなった母と闘病中の父の作った『最強家族の絆』がその事件の鍵を握ります。
事件の犯人は割りと早い段階で見当がつきますが、それよりも事件を通して伝わってくる家族内の『お互いを思いやる気持ち』に感動しますね。そして同時に応援したくなる内容になっています。
知識が豊富で小説なのに読んでいて勉強にもなりますよ。スカッとするような結末ではありませんが、ときどき読んで家族の温かさに触れたくなる小説です。
8.少女七竈と七人の可愛そうな大人
祖母と二人で暮らす少女の前に突然男性が現れる!
主人公は17歳の少女、川村七竈。父とは会ったことがなく、母は放蕩しており祖父と二人で暮らしています。
そんなある日、突然『父親』を名乗る男性が現れます。唯一の親友である少年、そしてその母親、七竈を取り巻く人間模様が描かれていきます。
章ごとに異なる人物からの視点で展開される部分に読み応えがあるほか、ペットの犬視点という珍しい描写もあり面白いです。
見所は主人公・七竈の瑞々しさですね。将来への不安、高校卒業を控え自立していこうと頑張る姿や、恋心がよく分からないと悩む姿がとても可愛らしいです。
恋愛小説の部類に入れようか迷いましたが、人間ドラマとも言えるのでこちらで紹介。美しい世界観が魅力のおすすめ小説です。
9.OUT
普通の主婦が仲間の夫の死体をバラバラに!結末が気になる犯罪小説!
過去を引きずり現状に満足のいかない主婦たちの物語。
満足できないというよりも『自分ではどうする事も出来ない状況』に陥っている主婦たちが、凄惨で大きな事件に巻き込まれていきます。
おすすめポイントは普通の主婦たちが主役の部分にあります。たまたま職場が同じだった、たまたま悩みごとを相談した、そんな事柄が重なり合い、戻るに戻れない状況まで突き進んで行くのが妙にリアルで面白いですね。
読み進めていて登場人物に違和感を抱かずに楽しむことができます。『自分だったらどうするんだろう…』と引き込まれてしまう魅力ある作品です。
98年の日本推理作家協会賞を受賞しているおすすめ小説ですよ。
10.Burn
記憶の一部を失ったまま大人になった少年が昔を取り戻していくストーリー
かつて天才子役と呼ばれた少年ですが、ある事件をきっかけに記憶の一部を無くしてしまいます。
そのまま大人になった主人公。舞台作家として過ごしていたある日、彼は事故に遭います。そして病院で昔の知り合いと思われるドラッグクイーンと出会い、失われていた20年前の記憶を取り戻していくという物語になっています。
記憶を失うキッカケになった辛い事件、人の死、偏見についてなど、深く考えさせられる内容です。主人公の気持ちや情景描写が文章でうまく表現されており、読み進めながらその風景を想像することができます。
各章で過去と現在を行ったり来たりしながら話が進んでいくので、パズルを埋めていくような感覚で楽しむことができる小説です。
11.かもめ食堂
中年の独身女性がフィンランドのヘルシンキで食堂を始める日常ストーリー
日本人女性のサチエが切り盛りするヘルシンキの街角にある『かもめ食堂』
ある日、ふとしたことをキッカケに中年の女性二人がお店を手伝うことになります。店の第一号のお客さんである日本語勉強中のフィンランドの男の子を交えつつ、静かな日常に少し新たな風が吹いていく物語です。
大きな事件は起こりませんが、新しい国で新たな人生を出発させる女性の姿を丁寧に描いている作品です。生きていくために必要なのは『少しの勇気』や『冒険心』が大切であるなど、読み進めていると少し勇気がもらえます。
静かで、けれど心温まるおすすめ小説です。
12.おばちゃまは飛び入りスパイ
平凡なおばちゃまが飛び入りでスパイに志願!コミカルで楽しめるスパイ小説!
還暦を過ぎた未亡人のミセス・ポリファックスが、自分の人生の平凡さに絶望して人生の転機を求める物語です。
ミセス・ポリファックスは人生の転機を求めてCIAを訪れます。彼女はボランティアを申し出るのと同じ口調でスパイ志願を口にします。偶然にも彼女のような運び屋を求めていたCIAは、彼女をメキシコへ派遣する決定を行います。
普通のおばちゃまだった彼女は、そこで目覚しい活躍をしていきます。ボランティア感覚でスパイを志願するところは常識を覆えしますが、基本的にミセス・ポリファックスは常識人です。
その常識、気力、機転によってピンチを切り抜けるのが「おばちゃまシリーズ」の見所です。本書はシリーズ最初の1冊になっており、初々しいスパイぶりが楽しめるおすすめ小説ですよ。
SFおすすめ小説5選
1.夏への扉
近未来の世界を舞台に展開するドラマチック小説!
主人公の発明家は仲間と愛人に裏切られ、コールドスリープで30年後の未来に送られてしまいます。
愛猫や友人と離れ離れになり絶望する主人公ですが、諦めずに愛猫や友人と再会する方法の糸口を探っていきます。多大な危険を払って過去へと戻った彼は、自分を裏切った同僚に対抗して新たな企業を立ちあげたりします。
仲間に裏切られた経験を持つ主人公が、過去の世界で出会った新たな仲間を信じて再び発明の仕事をする流れを読んでいると、人間にはやはり信頼できる仲間が必要であると教えられますね。
愛猫や友人との再会も感動的でロマンチックです。ぜひ手に取って欲しい読んだほうがいいおすすめの小説です。
2.図書館戦争
図書館を中心とした本の関連施設を舞台に戦争を描いた小説!
日本の世界観のまま、図書館や本屋、関連施設で繰り広げられる戦いの物語。
図書館戦争の世界では『図書隊』と『良化隊』が存在しています。本を守ることで表現の自由そのものを守る図書隊と、自由な表現ができない世の中を目指す良化隊の争いが繰り広げられます。
憧れの王子様を追いかけて図書隊に入隊した主人公の女性・笠原郁は、毎日鬼教官にしごかれながらも歯を食いしばって頑張ります。努力と運動能力をかわれた彼女は精鋭の「図書特殊部隊」に抜擢されます。
命の危険を伴う環境の中で育まれる主人公と上官の関係性、もう一人の上官と幼馴染の女の子、親友と信頼する同僚、上官と元恋人の記者など、主人公のみではなくシリーズを通して様々な男女の恋愛模様も描かれているSF小説です。
3.ニューロマンサー
サイバーパンクな世界観が魅力のSFおすすめ小説!
かつては電脳カウボーイとして凄腕だった主人公。今は仕事もなく、夜の街をうろついていたところ、モリイという女性に拾われ仕事を命じられるようになります。
言われるがまま作業を進める彼ですが、仕事中に『ニューロマンサー』と『ウインタミュート』というAIに出会いある秘密を知ります。AIは彼の働きにより統合されて自我を持ち、自分の仲間を見つけだそうと動き出していきます。
古い海外SF小説ですが、翻訳の内容がとても良いです。広大で独特の世界観が繰り広げられるほか、翻訳がはまってSFの空気を作り上げていますね。夜の町、麻薬、暴力、ハッキング、クラッキングと少々アンダーな世界です。
思い切ったダークな世界観は珍しい部類に入ると思いますね。ダークでありながらもラストは心地良いですよ。新しく生まれたAIと主人公に幸あれと思えるおすすめ小説です。
4.壁
朝起きると名前を失っていた男が、自分の名前と居場所を取り戻すために奮闘する物語!
名前と社会での居場所を失ってしまった主人公が、自分自身を取り戻すため行動していくストーリー。
名刺との格闘、タイピストのY子と愛を育みながら「世界の果て」に活路を見出しますが、彼の内部には既に『壁』が発生していた…という物語になっています。
SFファンタジーの要素がありますが、シュールリアリズムを駆使した社会風刺作品です。結末はもちろん先の展開を読むことができず、次々移り変わる場面に主人公と共に翻弄されてしまうこと間違いなしです。
同時収録されている短編も、阿部公房さんのスタイルをより強調するものでお気に入りです。独自の世界観に惹き込まれるおすすめ小説ですね。
5.薬屋探偵妖綺談
小さな町、久彼山の住宅街を抜けた先にある「深山木薬店」の活躍を描く!
セピア色の髪をもつ美少年、黒髪の穏やかな性格の青年、赤い髪の元気な男の子の従業員(3人)が織りなす物語。
この薬店は表向き「薬屋」という看板を掲げていますが、裏の顔として『妖怪雑事相談所』の仕事を請け負っています。妖怪や人間から依頼された事件のほか、成り行きで巻き込まれた事件を解決するなど様々なストーリーが展開しますよ。
人間の世界に隠れながら住む妖怪たちが『人間のふり』をして店舗の経営をしつつ探偵のようなことをしていきます。人間の事件の真相には妖怪が関係していることが多々あり、それらの原因を解決していくために奔走していくのが見所です。
すべての事件が円満に解決するわけではない魅せ方も良いですね。非日常的で様々な要素を含んでいる面白い小説です。
ファンタジーおすすめ小説7選
1.ダレン・シャン
主人公のダレン・シャンが活躍する海外おすすめ小説!
シルク・ド・フリークを見に行った少年ダレン・シャン。
毒グモのマダム・オクタに噛まれた友人・スティーブの命を助けるため、正体不明のバンパイア、ラーテン・クレプスリーと恐ろしい取引をすることになります。そしてその日を境に、平凡だった日々が過ぎさり自身の運命が変わっていくというストーリーです。
海外小説であることに加えてシリーズ物の長編小説なのですが、翻訳がとても良く一気に読めてしまうお話ですね。最初は見ていて不安だった主人公ダレン、悪役まがいのクレプスリー、物語が進むにつれて、頼もしくもあり悲しくもある描写が続きます。
最後は「そういう事だったのか!」と度肝を抜かれる展開で手に汗握ったのを覚えているオススメ小説です。
2.月の影 影の海(十二国記)
異世界へ導かれた主人公が活躍する冒険ファンタジーおすすめ小説!
ごく普通の女子高生である主人公の陽子。ある日、彼女はケイキという謎の男によって突然異世界へ連れて行かれてしまいます。
何も分からぬままに異世界で暮らす人々から疎まれてしまうほか、獣達との闘いなど壮絶な日々を強いられることになります。そこには陽子の驚愕の生い立ちが関係しており、物語が進むと徐々に明かされていきますよ。
平凡な女子高生だったことをしっかりと背景に置いており、彼女の異世界での戸惑いや葛藤を描く部分に惹き込まれます。その中でも善と悪の判断をしながら成長していく陽子の姿に驚きや爽快感を覚えさせてくれる作品です。
『十二国記シリーズ』は有名な人気小説なのでぜひ読んで欲しいですね。国と陽子の成長を描いた冒険ファンタジーになっています。
3.かがみの孤城
不登校の少年が鏡の世界で謎を追う!おすすめファンタジー小説!
引きこもりの主人公の部屋にある鏡が突然光りだし、その中へ入ると不思議なお城に繋がっていました。
そこで7人の同世代の友達や、お城の管理人のようなオオカミ少女との出会いを通して、主人公の成長や変化を一緒に経験しているような感覚になるお話になっています。
ボリュームがある本なので、最初の方はペースを掴むまでが辛いですが、後半に入るとどんどんのめり込めます。あらゆるところに伏線が散りばめられていて、もう一度読み返したくなる程、巧妙に練られています。
要素が点と点で繋がった時、全ての謎が解明でき、しんみりと心に感動をもたらせてくれる物語です。引きこもりや不登校などの問題を抱えている方にも読んでもらえたら少し勇気が出るかもしれません。
読了後は感動と哀愁みたいな感覚でいっぱいになるおすすめ小説です。
4.精霊の守り人
用心棒として生きる女性・バルサが幼い王子とともに生き抜く!
バルサは『ある国の王子』を助けたことをキッカケに、そのまま王子を連れて逃げることになります。
実の父親に命を狙われているという幼い王子。最初は父親に関係する人間だけが敵だと思っていましたが、連れている途中で不思議な現象に見舞われ『王子を狙っているのは人間だけではない』ことを知ります。
見所は用心棒であるバルサの『窮地を切り抜ける知恵や強さの描写』にありますね。超人的にズバ抜けているわけではなく、様々な経験をしたからこその強さというのが伝わります。多くは語られないバルサの過去を指し示しているところも見事です。
王子とバルサに絆が芽生えていくところも素敵。王子が外の世界を見て、自分の世界を広げていくところも惹き込まれるオススメ小説です。
5.ロードス島戦記
王道の世界観が魅力!古くから愛されるファンタジー小説!
ロードス島と呼ばれる島を舞台にしたファンタジーストーリー。若き戦士・主人公のパーンが辺境の村から旅立ち、英雄へと育っていく過程を描いた中世ヨーロッパ風の世界観が魅力の小説です。
幼馴染や途中で出会った仲間達と共に魔女と戦うほか、ときには戦争に巻き込まれるなど登場人物の人間ドラマを描いています。旅の途中で出会ったハイエルフのディードリットとの恋愛の末愛情を育んでいく様子は、子供心に胸が熱くなったのを覚えています。
主人公のパーンが少しづつ強くなり、逞しくなっていく様子も気持ちを高揚させてくれましたね。すべての登場人物に魅力があり、惹き込まれるファンタジーおすすめ小説です。
6.幼女戦記
異世界へと転生した主人公が戦争に身を置く転生ファンタジー小説!
人事部で働いていた主人公が、魔導の技術が存在する世界大戦期ヨーロッパのような異世界に幼女として転生します。
その後、転生した帝国では安全快適な後方任務を目指して奮闘しますが、『存在X』による介入があり、強力な魔導適正による活躍で否応無く前線に身を置くことになります。
異世界転生でお約束の『最強主人公』という流行の要素を取り入れていますが、それが主人公の意図しない展開へと繋がるところも面白いです。戦争に巻き込まれる個人という戦記としての構図を生み出し、かつ忠実な歴史改変SFとしての娯楽性も兼ね備えた作品です。
主人公ターニャの人を食ったような悪辣な語りも見どころのおすすめ小説です。
7.海辺のカフカ
並行して異なるストーリーが進んでいく!村上ワールドが炸裂する小説!
15歳の少年・田村カフカは、家出する決意をします。
理由は『父を殺し、母と交わるだろう』という不吉な予言を聞いたからでした。そして同じ東京の中野区に住む「ナカタさん」という不思議な老人の話と同時進行で進んでいく内容になっています。
家出した少年の行き着く先、老人の話との関連性など、続きが気になり読み進めてしまう小説ですね。父を殺し母と交わるという言葉、どこかで聞いたことがある方も多いと思いますが、ストーリーはギリシャ神話のオイディプス王をモチーフにしていますよ。
登場人物のキャラが立っており、図書館員大島さんのセリフには数々の名言があります。星野青年とカーネルサンダーズとの掛け合いなど、村上作品にしては笑えるのが珍しい小説です。
恋愛おすすめ小説7選
1.君の名は。
新海誠監督が執筆した大ヒット原作小説!
高校生の男の子と女の子が、時空を超えて中身が入れ違うストーリー。
ある日、突然中身が入れ替わるようになった高校生の男女。戸惑いながらも、お互いを深く知るようになってから会いたいという気持ちが増していきます。
気持ちが高ぶる中、突然入れ替わらなくなってしまったのを不思議に思った男の子は、女の子のことを必死に探し出そうとします。その後、女の子の街が隕石により壊滅したことを知り、その過去を変えていくという話です。
気持ちを寄せ合う描写が頭に浮かびウキウキする気持ちが楽しめるほか、過去を変えていく男の子の努力に惹き込まれますね。何回読んでも感極まりますよ。
最初から最後まですべてが見所! ストーリーが本当に面白いおすすめ小説です。
2.君の膵臓を食べたい
膵臓の病気を持つ女子高校生と、偶然病気のことを知ってしまう男子高校生の儚い恋愛を追う小説!
病気を感じさせない彼女と、それに付き合わされる彼氏といった構造で描かれる物語。
最初から主人公の男の子の名前がハッキリと書かれておらず、読者はそれについて気になりながらストーリーを追う形になります。1つ1つの日常がとても楽しそうに書かれており、自分の青春を思い出すことができますね。
様々な遊びを経て仲良くなっていく二人ですが、物語の後半から病気に関して明らかになっていきます。続きが気になり過ぎて手が止まらなくなるおすすめ恋愛小説です。
終盤は驚きの展開を迎えることに。私たちが日々生きていることを大事にしたくなるそんな物語です。
3.秒速5センチメートル
劇場アニメ『秒速5センチメートル』を監督自ら小説化した作品!
主人公である遠野貴樹(以下貴樹)を中心とした3つの連作短編を収録した小説。
想いを揺さぶられる主人公の気持ちが文章を通して伝わってくるほか、恋愛観だけでなく人生に関しても考えさせてくれる内容になっています。幼くも青さが描かれる少年期、そして大人になってから描かれる現実的な描写に惹き込まれますね。
アニメでは語られなかった部分も描かれており、アニメをすでに見ている方にもおすすめできます。消化不良だった方、改めて秒速5センチメートルの世界に触れたい方、ぜひ手に取って欲しいおすすめ小説です。
4.ジェイン・エア
孤児として生まれ育ちながらも懸命に生きるジェインの姿を描いた小説!
幼くして良心を亡くしたジェイン・エア。彼女は叔母の家で幼少期を過ごすことになります。
家では従兄弟からイジメを受けるほか、叔母からも可愛がってもらえませんでした。その後、寄宿学校に出て楽しい生活を期待しますが、そこでも辛い生活が待ち受けています。
卒業後は家庭教師として裕福な家で働きだし、その家の主人を好きになっていきます。しかし、その家で奇妙なことが起こっていくという物語です。イギリスが舞台の古い作品ですが、昔のイギリスがどのような社会だったのか垣間見ることができますよ。
主人公が人を好きになった際の感情がとても良く描写されており面白いです。人間ドラマが描かれている小説になっています。
5.植物図鑑
不思議なイケメンとの変わった同棲生活を描く恋愛小説!
普段はOLとして働いている主人公・さやか。ある日、仕事が終わって自宅マンションに帰ってきたところ、マンションの敷地内で行き倒れている青年・樹を見つけます。
倒れていた樹から「お嬢さん、よかったら僕を拾ってくれませんか。噛みません。躾のできた良い犬です」と懇願されます。台詞にツボったさやかは、彼を家へ招き入れて奇妙な同棲生活を始めることになります。
樹は「植物オタク」で草花や野草にやけに詳しい変わった人間。さやかはアウトドア派ではなくインドア派のOL。お互い全く異なるタイプの男女なのが面白いですね。
樹と出会ったのをキッカケに、自炊をしなかったさやかが料理に興味を持っていくなど変化が生まれていく様子が良いです。ある理由でさやかの前から樹がいなくなった後も、樹がいたころの思い出をなぞるように自炊するさやかの健気な姿も見どころ。
ちょっと変わった男女の恋愛を描いているおすすめ小説です。
6.虹色デイズ
人気の漫画原作映画を小説化!男性高校生の青春と恋愛を描いた小説!
趣味も性格もバラバラな『仲良し男子4人組』の青春を描いたストーリー。
主に高校3年生からの1年間が描かれているほか、進路や受験生として多忙な時期に好きな人が出来てしまい、恋愛をして良いのか悩む様子が描かれます。
彼女が居る友達に告白する方法を聞いたりするなど、甘酸っぱさを感じさせる内容が微笑ましいですね。一緒に受験勉強をしながら将来について語り合ったり青春真っ只中の内容になっています。
現在学生の方々には、男女関係なくこんな恋愛や友情があるのだと知ってもらいたいです。特に友達道であったり、学校の人間関係に悩んでいる人にも良いかも。
社会人や主婦の方は、自分の学生時代を思い出しながら読んで欲しい小説です。
7.ウォールフラワー
無個性な少年の成長を描く青春ストーリー!
主人公のチャーリーはなんの変哲も無い15歳。パーティーに行っても壁際から動かず『ウォールフラワー』の様に過ごします。
そんなある時、ひょんなことからチャーリーに友達ができます。そこから初めて恋をしたり、自分は一体どのような存在かを考えるようになります。チャーリーが様々な経験をして、傷つきながらも成長していく様子が素敵です。
一番印象に残るのは『自分は自分で良い』という当たり前のことを改めて教えてくれる部分ですね。壁際の花の様な存在と言っても、見方を変えれば『壁際からみんなを見つめれる』、相手の気持ちを考えられる人間とも言えます。
人は出会いの中で良いも悪いも経験した中で気付いていきます。そこから自分がどう動くのか、自分とは何かを考えさせられる青春小説です。
ミステリーおすすめ小説7選
1.百夜行
美しく貧しい小学生の少女「雪穂」と同じ図書館に通う「亮司」が織りなすミステリー!
雪穂と亮司のふたりを主軸に展開するミステリー小説。ある日、亮司の父親が廃墟で何者かに殺される事件が起きます。
それからしばらくした後、母子家庭である雪穂の母親が働くうどん店に通っていた男性客が事故死します。雪穂の母親は疑われますが、その後ガス中毒により事故死してしまいます。1人になった雪穂は遠縁の養子となり引っ越すことに。
その後も雪穂の周りで殺人事件が起きることから、刑事はアリバイがある雪穂ではなく『彼女に協力する何者かの存在』を感じて事件を紐解いていきます。時代背景が昭和なので今見ると不可能な犯罪もありますが、時代背景を知る人には違和感なく読めると思います。
雪穂と亮司の2人が実際に会話をするシーンはありません。それでも2人が会ったり会話するところが浮かんでくるのが小説の魅力。864ページと長編ですが、読んだ方がいい小説と言えるくらい面白い作品です。
2.マスカレード・ホテル
ホテルを舞台に刑事がホテルマンとして潜入捜査を行うストーリー!
殺人事件を未然に防ぐため、刑事が犯人確保のためにあるホテルへ潜入捜査を行います。
単に殺人事件のミステリー小説というだけでなく、ホテルが舞台なのもあって『ホテルマンの仕事内容』も詳しく書かれており面白いです。捜査の中でホテルに来るお客さんとの物語が描かれるほか、犯人は一体誰なのかドキドキされてくれる内容になっていますよ。
様々な事情を抱えた客が来店するので飽きないことに加えて、刑事という仕事の難しさを描いている作品です。序盤から良く読んでおかないと、話の繋がりが分かりにくいですが、後半は道が開けたように筋が繋がり気持ち良く読破することができます。
個性の強いミステリー小説を読みたい方におすすめです。
3.華麗なる誘拐
国民全員を誘拐して五千億を要求!圧倒的なスケール感で贈るおすすめ名作小説!
ある日、総理官邸に『日本国民全員を誘拐した。身代金五千億円を払え』と電話が入ります。
悪戯だと取り合わなかった政府と警察ですが、思いも寄らない方法で行っていることを知り愕然とします。普通の感覚では思いも付かない、固定概念を覆す誘拐の魅せ方が面白いです。
様々な角度から犯人を突き止めようとしますが、絞りきれず遂に民間の凄腕探偵に依頼を行います。探偵の見事な推理によって徐々に犯人像が浮かび上がり、優秀な頭脳を持った集団であることまでは分かります。
証拠が中々揃わずに困難を極める捜査。犯人にたどり着けるのか手に汗を握る展開が続きますよ。探偵が犯人をある程度特定し、直接対峙する場面やその後の予想もしない結末は圧巻の一言です。
1995年と古い作品ですが1冊で楽しめるのも良いですね。ミステリー好きは読んだ方がいい小説ですよ。
4.赤い指
東野圭吾が贈る!刑事・加賀恭一郎が主人公シリーズの第7作目!
長男の殺人を隠蔽しようとする家族と、主人公である加賀恭一郎の家族を主軸に置いて描かれる小説です。物語はある家庭の長男が幼女を殺害したところから始まります。
犯罪を隠匿しようとした加害者の家族は、刑事である加賀に事実を突き詰められそうになります。そこで加害者の家族は、愚かな策を講じて息子に罪がかからないよう行動を起こします。
本作のテーマは家族をメインに描いているほか、様々な家族の形や人間の感情交錯などを描いており面白いです。普通に見れば愚かである行動も、家族という関係性から正しく処理できない難しさが伝わってきますね。
加害者の家族と加賀恭一郎の家族を通して精細に描かれているのが凄い。重い内容ですが惹き込まれるおすすめ小説です。
5.すべてがFになる
不可思議な密室殺人に挑む!謎解きミステリー小説!
『S&Mシリーズ』の第1作目にあたる作品。
想像を超えるような事件が次々に起こり、それを解決するために悪戦苦闘する主人公の大学生とその教官の物語です。起きる事件が異常すぎて度肝を抜かれるほか、事件の解決方法が科学的で惹き込まれます。
現実離れしていますが、それを科学的に解決していく流れが面白いです。それ以上にハマるのが登場人物の人間関係や恋愛模様が描かれる点ですね。キャラクターの設定が面白いので、その点も小説の読みどころのひとつだと思います。
シリーズ物を読みたい方におすすめの小説です。
6.ゴールデンスランバー
ある日突然『首相の殺人犯』扱いに!スリルあふれるエンタメミステリー小説!
ごく普通の冴えない青年・青柳雅春が、ある日突然『殺人事件の容疑者』として巨大な陰謀に巻き込まれる物語です。
雅春は『総理大臣爆殺の犯人』として全国に指名手配されます。当然、彼は犯人ではありませんが、無実の罪から逃れるため逃走を続けることになります。真犯人は一体誰なのか?なぜ自分が犯人として扱われているのかを追う流れになっていますよ。
警察と逃走劇を繰り広げながら真犯人へと迫る様子、行く手に見え隠れする謎の人物など、続きが気になる魅せ方が良いですね。ドキドキ感があり楽しめるエンタメ性の高いおすすめ小説です。
7.ミレニアム
近代のスウェーデンが舞台!全世界で6000万部を売り上げたミステリーおすすめ小説!
月刊誌の発行責任者だったミカエル。彼は大物の違法行為を暴いた記事を発表しますが、逆に名誉毀損で訴えられ裁判に負けてしまいます。
この事件をキッカケに月刊誌から離れますが、ある失踪事件の調査を『大企業グループ前会長・ヘンリック』から依頼されます。
報酬は『大物実業家を破滅させる証拠』と言われたミカエルは依頼を受けるのですが、この失踪事件をリサーチするうちに様々な真実を知ることになります。
スリリングでテンポ良く進む物語が面白い。ミカエルの人間性や正義感にも共感しますが、何と言ってもリズベット・サランデルの生い立ちや孤独性が読者を惹きつけて止まないと思います。
第5弾まで出版されている世界的ベストセラーのおすすめ小説です。
ホラーおすすめ小説3選
1.ぼぎわんが、来る
映画も公開!第22回日本ホラー小説大賞を受賞したノンストップホラー小説!
新婚で幸せな生活を送っていた田原。ある日、彼の職場に奇妙な来訪者が訪れます。本人の代わりに対応した後輩に話を聞くと、まだ「生まれていない娘の名前」を口にしていたという。
それ以来、入院して憔悴する後輩、不審な電話やメールなど、田原の周辺で怪異が起こるようになります。自分だけでは解決できないと思った田原は、ライターの野崎と霊能力者の比嘉に助けを求めるというストーリーです。
3部構成になっており、登場人物3人の主観によって物語が進行するのですが、同じ事象に対しても人物が異なることで捉え方がこんなにも変わるかと驚かされますよ。展開がテンポ良く進むので、ダレることなく読めて入り込みやすいですね。
ホラー小説の部類ですが、サスペンスやミステリー要素が強いおすすめ小説です。
2.ずうのめ人形
比嘉姉妹シリーズ第2弾!呪いの原稿の謎を解いていく恐怖ミステリーホラー小説!
不審な死を遂げたライターが遺した原稿を手にしたオカルト雑誌勤務の藤間。
彼は手にした原稿を読み始め、作中に登場する『ずうのめ人形』という都市伝説に惹かれていきます。そして読み進めると作中の喪服の人形が現実に現れるようになります。
この事態に恐怖した藤間は、迫ってくる怪異から逃れるため先輩の野崎とその婚約者で霊能者の比嘉真琴に助けを求めることに。「現実の世界」と「原稿の中の世界」の話が交互に繰り広げられていくほか、テンポ良く話が進むので読みやすいですね。
メリーさんのように近づいてくる人形、時間制限がある中での推理など、臨場感があって面白い小説です。
3.残穢
静かで最恐に怖いリアルを感じるホラー小説!
実話怪談のホラー小説を生業とする主人公。ある日、読者の久保さんという女性から、引っ越したマンションの部屋で時々『畳を履くような音』がすると報告を受けます。
事故物件ではないかと調べ始めた2人ですが、部屋自体には何もありませんでした。しかし、主人公は過去に同じマンションに住んでいた別の住人からの手紙を思い出します。
自殺者の幽霊ではないかと考えた主人公は、土地の記憶を辿っていき、そこから様々な過去を知っていくという流れです。特に怖いのはかつて日本にあったという私宅監置(精神病患者を自宅の座敷牢や小屋などに閉じ込める制度)の話で、その青年が床下を這い回る様な描写です。
淡々と穢れに触れておかしくなってしまった様子など、幾重にも広がっていく感覚が怖いですね。手掛かりが消えたと思った所に、畳み掛けるように過去の事実が判明していく流れが読ませます。
読んだ後は自分の住んでいる場所の過去が気になってしまうかも知れません。身近に存在していそうなリアルさが面白いホラー小説です。
歴史おすすめ小説5選
1.永遠の0
Amazonレビュー数1800件超え!フィクションとノンフィクションの狭間を描いた傑作小説!
戦争の時の「カミカゼ特攻隊」の話を軸に描かれる小説。
終戦から60年目を迎えた夏を舞台に、主人公の健太郎が死んだ祖父の生涯を調べ始め、秘められた真実に迫っていくというストーリーです。孫たちが本当の祖父について知っていく流れが描かれるほか、戦争や家族愛について深く描かれている傑作です。
戦争の事柄や出来事を小説を通して学ぶことができます。読んで具体的に知れることや、新しく知ることが多かったなという印象がありますね。小説で堅苦しくないので読みやすい作品になっています。
Amazonが選ぶ『オールタイム・ベスト小説100』にも選出されていますよ。読んだ方がいい小説として挙げられる名作です。
2.龍馬がゆく
歴史上で高い人気を誇る英雄・坂本龍馬を主軸に描いた小説!
幕末の英雄「坂本龍馬」と、彼を取り巻く人物たちの人生を描いた歴史長編小説です。
生まれ育った土佐での幼少時代から、江戸留学で送った青春時代、黒船来航から大政奉還までの激動の幕末を生きた物語を書いています。江戸での剣術修行の青春時代が生き生きと描かれおり、坂本龍馬の人間性がとても魅力的ですね。
桂小五郎や千葉さなことの交流も面白いです。その中でも、師匠にあたる勝海舟との出会いの場面も面白く描かれていて楽しめます。
近江屋での最後の場面が近づくに連れて、ページを捲る手が辛くなりますね。坂本龍馬のことを余り良く知らない方でも、彼が最後どうなったのか知っている方は多いと思います。
歴史モノが好きな方であれば、読んだ方がいいおすすめ小説です。
3.坂の上の雲
司馬遼太郎先生が描く特に評価の高いおすすめ小説!
明治時代の日本の近代化から日清・日露戦争を題材としているほか、愛媛県の松山出身の軍人秋山兄弟と、俳句で有名な正岡子規を主人公に三人の生き様を書いた歴史小説です。
秋山兄弟と正岡子規の生涯だけでなく、そのころの日本の世界的な立ち位置、戦略など、史実をもとに書かれています。主人公の三人が、文明開化して様子がガラッと変わった東京に来て驚き、戸惑う様子が新鮮でした。
筆者の司馬遼太郎さんは古書を読み込んで小説を書かれたこともあり、文章に強い説得力があって惹き込まれます。歴史の大きな流れ、教科書には書かれていない出来事、その起きた背景と原因など、様々なことを分かりやすく書いているので勉強になる小説です。
4.花神
幕末の長州藩に生を受けた村田蔵六の波乱の生涯を描く小説!
村田蔵六は幕末の長州藩に生まれた『医者』であり『蘭学者』であり稀代の変わり者。
その生得の合理主義によって、幕府軍を撃退し、彼の才能を見抜いた桂小五郎によって長州藩で出世を重ねます。やがて新政府、明治政府の陸軍を基礎を創設する大人物となってゆきます。
合理主義者である故に動乱の時代に重宝され、時勢の機運にも乗せられて長州藩を救うほか、最終的には薩摩の西郷と共に明治政府内での2大巨頭として頭角を表していきます。
『花神』とは中国では『花咲爺さん』の事であり、幕末から明治初期における日本陸軍の全く何も無い枯れ木に、花を咲かせるが如くにその装備を整えてゆく様が圧巻です。読み応えのある歴史小説になっていますよ。
5.それからの三国志
三国志のそれからを描いた珍しい歴史小説!
タイトルのように「三国志」の小説です。
他の三国志は諸葛亮孔明が死去してからは駆け足で三国統一を書く人が多いですが、この小説は孔明没後の描写が非常に長く、かつ細かく書かれており非常に勉強になります。
蜀はなぜほろんだのか、呉はいつから凋落したのか、魏の衰退と司馬氏の台頭はいつからなのか。三国志が好きでもこれについてあまり詳しい人はいないと思いますね。
本作は『なぜ蜀が滅んだのか』が分かるもので、孔明や姜維が好きな人であれば必ずハマる小説だと思います。三国志が好きな方はチェックしてみてください。
ノンフィクションおすすめ小説3選
1.深夜特急
筆者自身の旅行体験談をもとに描いたノンフィクション小説!
作者である沢木耕太郎先生の旅を描いた物語。
26歳から旅を始め、飛行機などを使わず、陸路のみで旅を続けていく日常を描いた作品です。この本を読んで旅に行きたくならない人がいるのか?と思うほど『旅の面白さ、経験の尊さ、感じることの素晴らしさ』が伝わってきます。
長い旅を経て変わる自身の心を、自分のことのように思いながら読める小説です。「ワレ到着セズ」に込められた思いなどを自分なりに解釈して楽しむことができました。
バックパッカーのバイブルと言われて何十年経っていますが、その面白さは色褪せませんね。時には怖い思いをしながらも、楽しさや高揚感が伝わってくるおすすめの作品です。
2.茨と虹と
経営の神様と呼ばれた市村清を描いたノンフィクション小説物語!
株式会社リコーの創業者であり、経営の神様と呼ばれた『市村清』さんの生涯を描いた物語。経営の神様と言うと松下幸之助さんを思い浮かべる方が多いと思いますが、市村清さんも凄まじいです。
少年時代の天才性、青年時代に起業した時の苦悩、そして社長時代、現在その潮流を汲む株式会社リコーのその栄華と危機を描いていく流れになっています。
経営の神様と言われた所以、その生涯が活き活きと描かれており読んでいて面白いですね。少々文学的で難しい表現も含まれていますが、その時を表すのにふさわしいと言える言葉の数々はまさに『市村の生き様』をありのままに表現していると言えます。
見所は危機に瀕した時です。それをどう乗り越えるかなど、読み手にとって見習うべき部分がたくさんある小説です。
3.ブレイン・プログラミング
アメリカ人夫婦の人生を成功に導く秘訣を体験談と科学を元にした小説!
いわゆる自己啓発本の分野に含まれる作品ですが、他の作品と違うのが体験談と説得力です。
序章では自分のやりたいこと、叶えたいことを具体的に本に書き込みます。なぜ書き込むべきか、書くということがどう実現に結び付くかなどの解説があり、中盤は体験談や深層心理などに迫っていきます。
最後はくじけない為の心得などが細かく書かれており、とても勉強になりますよ。情報のほかに体験談が書かれているほか、その体験談も成功ばかりでなく失敗した話もあります。
具体的に自分がどう行動すれば良い方向に行くのかなど、自己啓発系の本が好きな方、理論立てで納得したい方におすすめです。
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