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今回は私の大好きな漫画家、内藤泰弘先生の短編集「S.Flight」漫画の感想レビューをお届けしたいと思います。
内藤泰弘先生と言えば、代表作である「トライガン」や「血界戦線」のイメージが強いと思います。この短編集はそんな内藤先生の「幻と呼ばれていた初期短編集」が含まれた内容になっていますよ。
初めて同人誌として発売した作品のほか、商業デビュー作も含まれている豪華な短編集です。まさに幻と言っていいファン必見の内容になっていますね。
どの作品も内藤先生らしさを感じさせる内容になっており、読み応え充分の作品集です。それぞれの話はすべて独立、一冊で完結するマンガなのでサクッと読める点もおすすめですね。
ファンの方はもちろん、読んだことがない方も是非チェックしてみてください。全作品に著者のコメントもついていますよ。
それでは早速レビューを行っていきますね。
目次
「S.Flight 内藤泰弘 作品集89→97」6編の内容と感想
内藤先生初の漫画作品「サンディと迷いの森の仲間たち」
ロストアイランドという孤島に訪れたフィールドワークの学者を主人公に、そこで出会った少女サンディとの出来事を描いた物語。
内藤先生初めての同人誌であると同時に、初の漫画作品になっています。登場人物の表情、人外の生き物の描写、人力飛行機のほか、漫画の最後の締め方まで既に初期から全てが完成されていたのが分かる作品ですね。
1989年5月の作品とは思えないなぁと本当に思います。サンディ可愛いよサンディ!
現代を舞台にしたSF「僕らの頭上に彼の場所」
初の漫画作品はファンタジー要素が混ざったものでしたが、打って変わって現代世界を背景に描いている作品です。
1話という短い話ですが、後半は一気にSFファンタジー色が強いものになります。こちらもまだ1990年代に描かれたものなんですね。
物語の締めにある「歌を詠む」ような表現も魅力的でした。絵で魅せるだけでなく文章でも魅せるのが内藤先生の魅力です。
倒れた祖父の代わりに少女がプレゼントを配る「Christmas Heart(クリスマスハート)」
ある日、サンタクロースである祖父が病に倒れてしまう。
少女・クラウディアは、祖父に代わってサンタクロースとなり、プレゼントを配りに街へ降りるという物語になっています。
メルヘンチックで絵本を思わせるような見せ方が魅力的な作品です。内容的には短い話なのですが、とても印象に残る漫画ですね。
過去を乗り越えるために40年の宇宙旅行へ「Call xxxx」
貧民街の売春婦の子として生まれ、孤児院で育った主人公・ランヴェルト。
どう生きても付いてまわる過去に嫌気がさした彼は、人類初の宇宙飛行士に志願をします。ですがそれはコールドスリープで「40年間」も宇宙を旅をすることを意味していました。
自分には誰も居ないという思いを抱いている主人公ですが、同じケアハウスの孤児院出身である少女から「人」としての真っ直ぐな思いをぶつけられることに。
荒廃した世界観や宇宙を交えたSF要素など、この辺りからトライガンの構想や土台が出来てたのかなぁ~と思わせる作品でもありますね。本作品は内藤先生の商業デビュー作品でもありますよ。
サンタクロースの少女が再び活躍する「Christmas Heart again」
サンタクロースとして板についてきたクラウディア。
そんな彼女が再び主人公として登場する作品です。横読みではなく縦読みというちょっと珍しいスタイルで展開していきます。
サンタクロースだけでなく死神が登場するなど、話の幅も広がっていますね。ある家族のボケ始めているおじいちゃんを中心に、サンタクロースと死神を交えた人間ドラマとして仕上がっています。
様々な見せ方にチャレンジしている先生の意欲が伝わる作品ですね。
トライガンと似た世界観で描かれる傑作SF漫画「Satellite Lovers」
荒廃してしまった世界を舞台に、廃墟となった街を旅しながら離れた恋人を探す青根。そして必死に生きる人々の姿を描いたSF漫画作品です。
彼女と人々は、ある施設と機会をきっかけに真実を知ることになります。こちらも商業掲載作品になっているので、読んだことがあるという方もいるかも知れませんね。
やっぱり内藤先生には現代を背景にしつつ、荒廃した世界観やSFが凄く似合う気がします。短編集の最期に相応しい作品になっていますよ。
トライガンや血海戦線を既に読んだことがある方ならより楽しめますし、短編集を読んだ後にトライガンを読むとまた一層楽しめますね。
というか内藤先生ってやっぱり凄い!初期から圧倒的な完成度を誇っていたのが分かります。
どの作品も本当に魅力的なので、ファンの方もそうでない方もぜひ手に取って欲しい「完結済みの名作漫画」になっていますよ。
「S.Flight」漫画の感想レビューまとめ
今回は「S.Flight 内藤泰弘 作品集89→97」の感想レビューをお届けいたしました。
89年代から97年代まで6本の作品が含まれている「S.Flight」。それぞれの話の感想をまとめてみましたが、今読んでも全く古臭さを感じさせません。
ファンタジー要素、ノスタルジック、内藤先生が描きたかったものが詰められているんだなーっていうのが伝わる作品です。
時を経て2018年に発売されるというのも何だかロマンを感じますね。30年近く前の作品を今こうして読めることが本当に嬉しく思います。
初期の絵柄でもすぐに内藤先生と分かるのが本当にすごいなと思います。このほかにも完結済みの漫画を紹介している記事があるので、レビュー記事を読み終わったらぜひこちらもチェックしてみてください。
👉完結漫画を厳選!面白いおすすめ名作マンガランキング【保存版】
単行本として全216Pという超ボリューム、内藤先生の元祖と魅力が詰まっている本ですよ。
「S.Flight 内藤泰弘 作品集89→97」ぜひ一度手に取ってみてくださいね。漫画に関連する記事もどうぞ。